カワイピアノ

カワイ表参道スタッフブログ

MPA日記 ~視線の先には~

国際コンクールの舞台には様々な思いや目標を持って上がるコンテスタント(出場者)がほとんどだと思います
もちろん人生を左右する舞台を私たちはサポートしなければなりません

そんなコンクールでのお話です

とある国での国際コンクールにて私はサブチューナーとして会場にいました
メインチューナーがピアノを調整する時間は真夜中・・・
コンクール開催は昼間・・・

メインチューナーには万全の状態で作業できるように昼間は休んでもらい、私は昼間も会場にいてコンテスタントの演奏を聴いていました




演奏者がステージに現れ、拍手が起こり、お辞儀をし

演奏を始める直前にこちらの方を見ている・・・

何人か同じような行動をとるコンテスタントが続きました


いったい何を見ているのか・・・

その視線の謎は別の日に明らかになりました

審査開始前に、某ピアノ会社のアーティストの対応を担当されているGさんと話をして
そのまま隣に座ったところ

演奏直前にコンテスタントがGさんを見る
Gさんがファイティングポーズで「がんばれ!」のジェスチャー
コンテスタントが笑顔で返し、演奏開始

コンテスタントはステージ上では“ひとりきり”で審査員や観客の前で演奏しています。そこでの緊張は私たちには想像できないほどだと思います
その緊張を少しでも和らげようとするGさんの行動は、サポートの理想形ではないかと感じました

ちなみにこのGさん、風邪気味だった私を毎日気遣ってくださる本当に優しい方でした